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相続とは?相続をやめることはできるの?
そもそも、相続とはどんな意味なのか。
相続という言葉の意味を少し調べてみました。
【相続とは】
1.家督・地位などを受け継ぐこと。跡目を継ぐこと。例:「宗家を―する」
2.法律で、人が死亡した場合に、その者と一定の親族関係にある者が財産上の権利・義務を承継すること。現行民法では財産相続だけを認め、共同相続を原則とする。
出典:(相続の意味goo辞書)
弊社で取り扱う意味として合っているものは、後者であると言えます。
辞書の言葉を借りるのであれば、「財産上の権利・義務」を引き継ぐため、さまざまな問題が起こるのでしょう。
では、相続することをやめることはできるのでしょうか。
また、相続をやめるときはどんな手続きが必要なのでしょうか。
次項より、相続を放棄する相続放棄と遺産放棄について触れながら、相続をしないと決めたときの対応について詳しく述べていきたいと思います。
相続放棄とは
まず、相続放棄について記述していきます。
相続放棄とは、「相続人」ではなくなるということです。
相続人とは、人が死亡して遺産を引き継ぐ人を指します。
また、相続人になるべき人は、民法で決められています。
さらに、民法によって決まる相続人を「法定相続人」と呼びます。
法律が絡んでくると、呼び方も難しくなりますね。
法定相続人になるのは、現行民法では決められていますが、そのお話はまた今度詳しくお話ししたいと思います。
法定相続人になった場合、遺産がある場合は、法律で相続することが決められています。
お金、土地とさまざまなものを相続することになると思いますが、その相続すべて、そして、相続人であることを放棄するのが、「相続放棄」です。
遺産放棄とは
相続放棄と似た言葉で、遺産放棄というものがあります。
相続放棄も遺産放棄も全部一緒じゃないの? とお考えの方。
似ているようですが、この言葉は、実は同じ意味ではありません。
相続人という地位は変わらずに遺産を放棄することを「遺産放棄」と言います。
遺産放棄の場合は、相続人であることに変わりはありません。
相続人として、まず遺産分割協議に参加する必要があります。
その後、相続財産を相続しないと決められます。
簡単に言うと、プラスの財産のみ、他の相続人に与えるということになります。
なので、マイナスの財産については支払う義務が残ってしまいます。
相続放棄で気を付けること
相続放棄と遺産放棄を比べると、相続放棄は、決してプラスのものだけではありません。
マイナスの財産、借金なども存在します。
もし被相続人(遺産を残した人、一般的に故人と呼びます)に借金があった場合は、プラスの財産と一緒に借金、つまり
「マイナスの遺産」
も相続することになります。
借金などがあると、相続した際、残したプラスの財産より借金の額が上回ることがあります。
そのまま相続すれば、被相続人の借金を被ることになるので、そのような場合は残された遺産すべての相続を放棄することが可能です。
このような動きを相続放棄といいます。
相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も放棄するお手続きです。
相続をすべて放棄するので、プラスの財産に手を出してはいけません。
お葬式の費用も、亡くなられた方の財産から出すことを考えてはいけません。
もし、お亡くなりになられた方のご自宅にお住まいの方で、相続放棄をする場合は、家を出る可能性があります。
マイナスの遺産である借金を支払わなくてもすむことになりますが、そういうリスクがあることを考慮のうえ、お手続きに臨んでいただけたらと思います。
原則、被相続人がお亡くなりになられた日から3か月以内に相続放棄しないと、相続人となります。
お亡くなりになられた日から3か月以内というのは、お亡くなりになったことを知った日から3か月以内という意味になります。
なので、お亡くなりになったことを知らなければ、3か月の制限はありません。
他にも、本来相続人である方が早く亡くなってしまったときは、相続人になるケースがあります。
その場合は、ご自身が相続人であることを知ってから3か月以内という例外もあります。
相続放棄は悪いことではありません
これまでの流れで、相続放棄ってなんだか嫌な印象がある…と感じている方がおられるのではないかと思います。
相続人であることを放棄するので、
「家族と縁を切るような行動はできない」
「被相続人のことを考えると相続放棄できない」
「世間体もあるし、相続放棄すると聞こえが悪い気がする」
など、さまざまなことを考慮するかと思います。
ただ、相続放棄は決して悪いことではありません。
なぜかと言えば、相続放棄のことを知らなくて、人生がめちゃくちゃになった方が存在するからです。
放棄するという言葉から、抵抗感を抱く方も多いかと思いますが、自分の人生を一番に考え、相続放棄を選択することも間違いではありません。
被相続人…故人さまが願うのは、残された方の幸せです。
被相続人の方が、ご自身で残してしまったマイナスの遺産で、相続人の方が負担になり、人生が変わってしまうことは、おそらく望まないでしょう。
これからの生活のことを考えて、相続放棄を視野に入れても問題はありません。
また、相続放棄の内容を知って、万が一の時に備えておきましょう。
相続放棄しないとご自身の生活がめちゃくちゃに
重複しますが、相続放棄とは、相続人ではなくなることです。
お亡くなりになられた方の相続人ではなくなるので、相続人としての立ち振る舞いはできなくなります。
ただし、ご実家に帰省できない、お墓参りができなくなるということではありません。
相続人でなくなるということは、お亡くなりになられた方の財産や借金について、無関係になるということです。
では、なぜ相続放棄が悪いことではないのかという理由を述べていきます。
先に結論から言いますと、相続放棄しないとご自身の生活が変わってしまうような、マイナスの遺産は抱える必要はありません。
簡単にお話ししますと、お亡くなりになられたお父様やお母様に借金があるとします。
相続放棄をしなければ、ご相続人様が借金を支払う義務を負います。
なので、相続放棄を知らなければ、相続人の方が「損」をすることになります。
そして、これは大事なことなので何度も記述しますが、相続放棄は、お亡くなりになられたことを知ってから、3か月以内に行わなければいけません。
書類を集めて家庭裁判所に提出するのですが、お亡くなりになられて、お葬式を終えて、諸々のお手続きをしている間に、あっという間に3か月が過ぎてしまいます。
よって、相続放棄の手続きは、すみやかに行わなければいけません。
「そんなことを言われても人やねんから迷うやん…」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
そうです。
人やから、迷います。
当たり前です。
決断するのに時間がかかります。
しかしながら、相続放棄をせずに、ご自身の生活が様変わりしてしまった方は実際に存在します。
次項から、ご自身の生活が変わってしまった具体例をあげてみたいと思いますので、参考にしていただければと思います。
例①:相続放棄が悪いと思っていたお客様
今回の事例のお客様は、相続放棄について知っていました。
しかし、相続放棄をすると、お亡くなりになられた方との縁が切れてしまうと思われて、相続放棄をしなかったとおっしゃっていました。
弊社には、相続の不動産の名義変更でのご相談で来られ、相続放棄のお話をしていただきました。
相続放棄は、お亡くなりになられた方の財産や借金について、無関係になるだけです。
相続放棄をしないで、ご自身やご家族の人生が壊れてしまっては、これからの生活が危うくなります。
相続放棄をしたとしても、親の財産とは無関係にはなるだけで、縁が切れるわけではありません。
ご自身やご家族の生活が保たれるのであれば、どちらを選択すべきか、おのずと判断ができるかと思います。
私は、マイナスの遺産がプラスの遺産を上回る場合は、相続放棄すべきだと思います。
今回のお客様は、お亡くなりになられた方が自営業で、消費者金融からの借金がまだ1,000万円程残っていました。
相続人としてマイナスの遺産をそのまま相続し、ご家族で今も借金を返済している状態でした。
例②:財産を放棄するということは実家から出ないといけないの?
また、財産を放棄するということは実家から出ないといけないのでしょうか?
法律のお話をさせていただくと、住む権利がありませんので、出ないといけません。
ご自宅が亡くなられた方のご名義であれば、相続放棄するとご自宅という財産を相続することができません。
厳密にいえば、ご自宅に居座っているという形になります。
相続放棄をすれば、次の相続人が発生します。
最終的に相続人皆さまが相続放棄すれば、国の所有物になります。
次の相続人が財産を取得すれば、その相続人と話し合う必要があります。
ただし相続人は大抵親戚ですし、
「そのまま住んでていいよ」
というお話しになります。
そもそも、ご自身が相続放棄されたのであれば、次に相続人になられた方も相続放棄することがほとんどです。
最終的に国の所有物になるといっても、それは何十年も先の話になります。
そして、もし国の所有物になった後でも、また話し合いをすればいいのです。
財産より借金が多いのであれば、絶対相続放棄すべき
具体例としてお客様のケースを記述させていただきました。
相続放棄しないことで、生活が一変してしまう方は、少なからずいらっしゃいます。
財産より借金の方が多ければ、絶対相続放棄すべきです。
そうしないと、ご自身・ご家族の生活がめちゃめちゃになります。
なので、自営業や借金があると既にわかっている方は、被相続人さまがご存命のうちでも構いませんので、専門家にご相談ください。
損をしない方法、自分の生活を保てる方法は、この世の中にはたくさんあります。
相続人の方を少しでもサポートできたらと考えております。
蒲生相続相談センターでは、相続放棄のサポートをしておりますので、ぜひ一度、ご相談くださいませ!
まとめ
相続人でなくなる、相続放棄を行うと、亡くなられた方…故人さまの財産とは、無縁になります。
銀行の解約お手続きもそうです。
相続人と同じ振る舞いをしたがために、相続放棄が覆るケースもあります。
そのため、慎重に行動する必要があります。
相続放棄など、専門的な知識が必要なときは、蒲生相続相談センターにご相談ください。
「相続放棄」のサポートも行っておりますので、なんなりとお声がけくださいませ!
ご相談内容によっては、ほかの専門家が必要になる場合がありますが、その際もご紹介させていただきます。
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