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  3. 相続時精算課税制度とは?生前贈与に関わる制度です◎メリットとデメリットについてもお話します!

生前の相続財産を贈与する制度である、相続時精算課税制度

相続が発生してなかったら、おそらく聞くことのない言葉だと思います。

しかしながら、知らないままだと、損をしてしまうことがあります。

制度について簡単にご説明するとともに、メリットとデメリットについても、ふれていきたいと思います。

◎相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度初心者説明

相続時精算課税制度とは、生前に相続財産を贈与する制度です。

概要をご説明しますと・・・

財産をあげる人を贈与者、財産をもらう人を受贈者といいます。

そこで、下記のように

贈与者:60歳以上の両親祖父母

受贈者:18歳以上の推定相続人である子や孫(※贈与年の1月1日時点で18歳以上)

贈与者と受贈者の規定が決まっている場合に、この制度が適応されます。

通常の贈与は、贈与金額によって贈与税が課されます。

しかしながら、相続時精算課税制度を利用した贈与は、相続時精算課税制度の利用開始から、贈与者が亡くなるまでの累計額が、「相続財産」として計上されます。

そのため、被相続人の死亡時相続税の課税対象となります。

相続税

生きているのに、相続税の課税対象になるんだ! と思われた方もいらっしゃると思いますが、こちらに関しては、制度を利用すると相続税の課税対象になります。

以前のブログでも掲載したことがありますが、相続税と贈与税は、課税されるタイミングや税率が異なるため、実態は別々の税金のようになっていますが、実は密接に関係しています。

https://gamo-souzoku.com/blog/3%e5%b9%b4%e2%86%927%e5%b9%b4%e3%81%ab%ef%bc%9f%ef%bc%81-%e8%b4%88%e4%b8%8e%e7%a8%8e%e6%94%b9%e6%ad%a3%ef%bc%81-%e3%81%9d%e3%82%82%e3%81%9d%e3%82%82%e7%94%9f%e5%89%8d%e8%b4%88%e4%b8%8e%e5%8a%a0/

そもそも、贈与税相続時精算課税制度を利用した贈与に贈与税が課されないわけではありません

この制度では、受贈者ごとに2500万円の特別控除が設定されています。

2500万円を超えた部分の贈与については一律20%の贈与税が課されますが、支払った贈与税は、相続税と相殺されます。

また、支払った贈与税額が相続税額よりも大きいときは還付されます。

なお、有価証券や不動産など価格に流動性のある財産は、贈与時の価格が相続財産として計上されるのです。

上記のように、有価証券については、価値の上昇が期待できます。ただ、不動産、とくに建物については、減価償却により、年々価値が下がるため相続時精算課税制度の贈与財産としては、あまり向いていないといえます。

◎相続時精算課税制度のメリット・デメリット

メリットとデメリット

では、相続時精算課税制度のメリットについてお話していきます。

メリット

・生前に贈与することで財産の所有者を確定させることができる

お亡くなりになった後では、自分の財産がどうなったか知ることができません。

自分が生きている間に、財産の分配を決めておきたい方には、この制度を活用することをおすすめします。

自分の生きている間に確定できる

デメリット

次に、デメリットについてお話していきたいと思います。

・相続時精算課税制度を一度でも利用すると暦年贈与を利用できなくなる

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。

(出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm)

上記のように、暦年贈与は生前贈与の手段ではありますが、相続時精算課税制度を一度でも利用している場合は、暦年贈与で財産を分けたくてもできない決まりになっています。

・相続時精算課税制度の利用撤回ができない

この制度はいったん利用すると利用すると選択した年以後、贈与する人がお亡くなりになるまで継続して適用されます。

また先ほども触れましたが、使い勝手が悪いからと言って、暦年課税に変更することもできないのです。

・最初の贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間、受贈者による所轄の税務署へ届け出が必要になる

相続時精算課税制度を利用し贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税選択届出書を添付して贈与税の申告をする必要があります。

その手間を考えると、こちらもデメリットに含まれてきます。

・小規模宅地等の特例などの減税制度を利用できず、相続税が高くなるおそれがある

小規模宅地等の特例とは…

個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用または居住の用に供されていた宅地等(土地または土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記の「減額される割合等」の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。

(出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm)

ようは、上記の相続税が減額される制度などは利用できず、相続税が高くなる可能性があります。こちらも可能性ですので、すべてが高くなる、と決まったわけではありません。しかしながら、少しでも節税をしようと思って、他の減税制度と一緒に相続時精算課税制度を使用しようと考えていたら、デメリットに当てはまってしまうかもしれません。

・不動産の名義変更で登録免許税が高くなる

不動産の名義変更はタダではできません。名義変更の際には、どんなに安い土地でも1,000円はかかると言われています。

相続時精算課税制度を利用した名義変更は、贈与による名義変更のため税率は2%になり、相続による名義変更の税率0.4%より割高になります。

お金について悩む人

◎令和5年度税制改正による相続時精算課税制度への影響

税金が関わる制度ですから、毎年、税制が改正されると、少なからず影響が出てきます。

令和5年度の税制改正では、どのような影響があるのか、見てみましょう。

・現行の2,500万円の特別控除額とは別に毎年110万円の基礎控除が適用される

  (令和6年1月1日以後の贈与について適用予定)

令和6年1月1日以後の贈与については、毎年110万円の基礎控除が適用されます。これは、現行の2,500万円の特別控除額とは別に適応されます。

・一定の土地又は建物の受贈後、相続開始までに災害により被害を受けた場合は贈与時の価額から被害を受けた部分に相当する額を控除できる

  (令和6年1月1日以後の災害で受けた被害について適用予定)

相続時精算課税制度を利用して受贈した、土地と建物があるとします。

それらが、相続開始となるまでに災害によって、被害を受けた場合は、贈与時の価額より被害を受けた部分に相当する額を控除することができます。

ただ、令和6年1月1日以後に災害で被害を受けたものについてのみ適用予定ですので、すでに被害を受けているものは、適用されません。

◎詳細は専門家にご相談ください

簡単にですが、相続時精算課税制度についてお話してきました。

簡単にと言っても、「よくわからない!」という方には、専門家に相談をおすすめします。

がもう相続相談センターでは「亡くなる前に先に渡したいプラン」を提供しています。

詳細はこちらからご確認ください。

亡くなる前に先に渡したいプラン(生前贈与)

亡くなる前に先に渡したいプランでは、お亡くなりになる前に、

「どうしても先に渡したい」

「生きている間に解決したい」

という問題を解決します。

亡くなられた後には、自分で物事を決めることが出来ません。

遺言書を生前に残して、それを基に残された相続人にお手続きをやってもらう。

しかし、そのお手続きが完了したことを知ることが出来ません。

生前贈与は、「生きている間にお手続きが完了します」。

何を相談していいかわからないという理由で問題を先送りにし、後からお困りになる方を多く見てきました。

是非がもう相続相談センターをご利用ください。専門家があなたを支えます。