みなさん、こんにちは!
蒲生相続相談センター 代表の本上(ほんじょう)です。
今回の記事では、家族信託についてお話させていだきます。
家族信託という言葉は、あまり馴染みのないお客様も多いと思います。
家族信託についてお話しさせていただいた記事がありますので、また、1度ご閲覧してみてください。
こちらです!!
では、家族信託のお手続きの流れをご説明させていただき、家族信託のお手続きをご希望のお客様の解決事例を挙げさせていただきます。
お手続きの流れ
①家族信託の内容を話し合い決定する
家族信託で大事なことは、ご家族での話し合いです。
管理してもらうご家族を含めた皆様で、ご本人様の財産をどう管理していくか、そして、将来的にどう財産を繋いでいくかということを皆様で話し合っていただくのです。
ご本人様と管理してもらう方とだけの話し合いで物事を進めていくと、必ず将来的に上手くいきません。
まず最初に決めていただくことは、家族信託をする目的です。
認知症の備えとしての家族信託なのか、
財産の行方を決めるための家族信託なのか、
障害のある子どもの生活を支えるための家族信託なのか
など、目的は家庭によってさまざまだと思います。
重要なことは、委託者(ご本人様)と受託者(管理者)になる予定の人だけですべてを決めてしまわないことです。
信託契約の当事者でなくとも、ほかの家族の意見もヒアリングしておきましょう。
他の家族の意見を置き去りにして家族信託を進めてしまうと、後になって不満が生じ、トラブルや揉め事に発展しかねません。
最も長く時間をかけるくらいの気持ちで慎重に検討してください。
専門家も含めた皆様で、しっかり家族信託の目的を決めていきます。
②決定した内容で契約書作成する
家族間の話し合いで決めた内容に基づいて、信託契約書を作成していきます。
作成においては、可能なかぎり具体的な表現を用いましょう。
あいまいな表現で解釈の余地を残してしまうと、後から議論に発展して、財産管理の邪魔になるおそれがあります。
登記は可能か、税務上問題がないか、などの疑問が生じた場合は、司法書士や弁護士、税理士などの専門家に相談しましょう。
疑問をひとつずつ解消しながら、漏れのない信託契約書を作成していきます。
③契約書を公正証書にする
作成した契約書は公証役場で公正証書にします。
公正証書化が必須というわけではありませんが、作成した信託契約書が委託者の意思に基づくものであることを公的に証明してもらうことで、トラブル防止効果が期待できます。
④家族信託財産を移動させる(不動産名義変更・管理用口座開設)
契約書を作成したら、いよいよ財産の名義をご本人様から管理者へ移します。
名義を移す手続きは、財産の種類によって異なります。
たとえば、信託財産のなかに不動産が含まれているなら、所有権を委託者から受託者に移転する信託登記を法務局に申請しなければなりません。
また、信託目録という信託財産を一覧にした記録の作成も必須です。
現金や預金が信託財産なら、それらのお金を管理するための専用口座を開設し、開設した専用口座に信託財産のお金を入金して管理していくのです。
なお、家族信託は新しい財産管理の方法なので、今後の法制度や判例の変更によっては、契約書の内容を微調整する必要が生じるでしょう。
そんなときには、家族信託を依頼した専門家に再度相談することをおすすめします。
また、家族信託には「30年ルール」という有効期間が設けられていることも念頭に置いておきましょう。
30年ルールとは
「信託開始から30年経過後に受益者となった人が死亡すると、信託は終了する」
というルールです。
従って信託の効果は永遠ではないということです。
家族信託は、認知症対策の効果もありますが、親から子への1つの財産承継の機能が強いお手続きです。
ご本人様は、大体50歳台~60歳台の方が多いと思います。
そこから、30年で日本人の平均寿命という事になります。
なぜ家族信託というお手続きができたのか?
どうして、家族信託という手続きの制度ができたのですか?
ということですが、それは、
後見手続きが少し手間がかかるからです。
後見手続きは裁判所が関与してしまいます。
後見手続きはどうしても裁判所を通してお手続きが進んでいくので、収支の報告が必要になります。
また、何かご本人様の財産を処分するなどの場合、裁判所の許可が必要になったりと、どうしても煩わしさが付きまといます。
家族信託のお手続きでは、裁判所は関係ありません。
ご本人様と管理者様との間で、信託契約書を交わしていただき、当事者間でお手続きが進んでいきます。
信託財産の処分についても、信託契約書の中で決めておけば、管理者の意思だけで、処分が出来ます。
なぜなら、管理者は、ご本人様のために処分しているからです。
家族信託は、ご本人様が決めたことだからいいんじゃない?という考え方です。
任意後見のお手続きも、ご本人様が決めた事に沿ってお手続きは進んでいきますが、やはり管轄が裁判所なので、どうしても裁判所にうかがいをたてる形になります。
その点で、家族信託のお手続きの方が、利便性は高いと思います。
では、具体的な解決事例を見ていきたいと思います。
解決事例
ケース
今回のお客様は、先祖代々地主様です。
多くの不動産を所有しており、特に相続税対策を考えたこともなかったのですが、このままでは、残された相続人が相続税をたくさん払わなければいけなくなるということで、ご相談に来られました。
相続人は、長男A、長女B、次女Cの3人で、円満な兄弟関係です。
現在お客様は元気ですが、これからの事を考えると何か対策を考えなければいけないということでした。
解決策
お客様の不動産は、全て長男A様に預ける信託契約をします。
その内容は、受託者A様(長男A様)・受益者ご本人様(今回のお客様)です。
さらに、長男A様が勝手に暴走して不動産を売却しないように、専門家を信託監督人として設定します。
ご本人様が亡くなったら、信託財産の帰属先を長男A様又はA様の子に指定します。
また別途、ご本人様に遺言書を作成していただいて、長女B様と次女C様に他の財産を相続してもらう形をとり、不満の出ないようにします。
理由
この信託契約を締結したことにより、信託財産となった不動産の登記簿の所有者欄に長男A様の名前が記載されます。
しかし、これはあくまで信託財産を管理する権限を持つ物という意味合いでの登記名義人であり、長男A様は、所有者Aではなく、受託者Aという肩書付で登記簿に記載されることになります。
それにより、
・固定資産税の支払い
・火災保険料の支払い
・賃貸借契約の締結・更新・解除
が行う事ができ、さらに信託契約に処分方法の記載があれば、不動産を売却することも出来ます。
ご本人様が認知症になってしまった場合でも、長男A様はご本人様のために、上記の行為が出来る事になるということです。
また、信託監督人を定めれていれば、受託者の行為には信託監督人の同意が必要な旨を、信託契約書に記載しておくことで、抑制すること可能です。
ご本人様がお亡くなりになった場合でも、長男A様に不動産帰属する内容の信託契約書であれば、遺言の代用機能があり、効果的な相続税対策を実行したうえで、長男家系がご実家を守っていくことが出来、とても効果的です。
管理者は家族でなければいけないの?
ご家族でなければいけないわけではありません。
しかし、家族信託は、財産承継の色も濃いお手続きです。
ご家族の方が関わる事により、ご本人様の財産を守っていくという意味合いで、ご家族全員でこのお手続きに関わってほしいところであります。
再度結論:これから必ずメジャーなお手続きになる
家族信託はここ数年、知名度があがってきたお手続きです。
認知症対策という意味合いの色が濃いですが、財産承継の意味合いでもとても効果的なお手続きです。
後見手続きとは異なり、裁判所が関与することがないので、その点からも煩わしさが少ないお手続きです。
しかし、しっかりと家族信託をする目的を決めておかないと、後々、ご家族との間でトラブルなるお手続きなので、専門家に相談してお手続きを進めてほしいと思います。
蒲生相続相談センターでは、家族信託のお手続きをサポートさせていただいております。
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代理人・家族を信じて託すプラン(後見・家族信託)
代理人・家族を信じて託すプランは、
「ご家族が認知症になってしまった・・」
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というお客様をサポートするプランです。
ご家族が認知症になりお困りの方、将来的に認知症になっても資産の売却や運用が出来るようにして、介護費用等にあてたいと思っている方にはこのプランが最適です。
相続では、事前対策がすごく重要になります。
後で動いて損をしてしまった方も多く見てきました。
損をしたくない方は、事前に対策することをお勧めします。