相続で取得した不要な土地を手放したいけれど、国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度にどれくらいの費用がかかるか分からず、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この制度の利用には、国へ支払う手数料や負担金だけでなく、土地の状況によっては測量費や専門家への報酬など、追加のお金が必要になる場合があります。
この記事を読めば、相続土地国庫帰属制度の利用にかかる費用の総額と内訳が分かり、ご自身の土地の具体的な金額をシミュレーションできるようになります。
制度を利用すべきか、他の処分方法を検討すべきかの判断基準を明確にすることが可能です。
相続した住まない不動産の放置リスクと4つの選択肢については「相続した住まない不動産はどうする?放置リスクと4つの選択肢」で詳しく紹介しています。
相続土地国庫帰属制度でかかる費用の総額と3つの内訳
相続土地国庫帰属制度を利用する際にかかる費用は、大きく分けて3種類あります。
1つ目は、申請時と承認時に国へ支払う「必須費用」。
2つ目は、土地の状況に応じて申請の前提条件を整えるための「準備費用」。
そして3つ目は、手続きの代行を専門家に依頼する場合の「専門家報酬」です。
これらの合計金額が、土地を手放すために必要なお金の総額となります。
土地の状態や専門家への依頼の有無によって総額は大きく変動するため、ご自身の状況に合わせて各種費用を把握することが重要です。
この3つの費用内訳を理解することで、より正確な予算の見通しを立てられます。
【国へ支払う費用】制度利用で必須となる2つの費用

相続土地国庫帰属制度を利用する上で、必ず発生するのが国へ直接支払うお金です。
具体的には、申請時に納付する「審査手数料」と、審査に承認された後に納付する「負担金」の2種類が存在します。
これらは制度利用の根幹をなす費用であり、土地の筆数や地目、面積によって金額が定められています。
まずは、この2つの必須費用について、それぞれの性質と具体的な金額を正確に理解することから始めましょう。
これらの費用が、制度利用にかかるコストのベースラインとなります。
① 審査手数料:申請時に必要な一律14,000円
審査手数料とは、相続土地国庫帰属制度の申請を法務局に行う際に支払う費用のことです。
金額は、土地1筆あたり一律で14,000円と定められています。
複数の土地を申請する場合は、筆数分の手数料が必要になります。
例えば、3筆の土地を申請する場合は、14,000円×3筆で42,000円を納付します。
この手数料は、申請書に収入印紙を貼付する形で支払い、審査の結果、不承認となった場合や申請を取り下げた場合でも返還されない点に注意が必要です。
② 負担金:承認後に納付する10年分の土地管理費相当額
負担金とは、法務局の審査を経て申請が承認された場合に、国へ納付するお金です。
これは、国がその土地を引き取った後、10年間にわたって管理するために必要となる標準的な費用に相当する金額とされています。
負担金の納付が完了した時点で、土地の所有権が正式に国へ移ります。
納付期限は、承認の通知が届いてから30日以内と定められており、この期間内に支払わないと承認そのものが失効してしまうため、計画的な資金準備が不可欠です。
【地目・状況別】負担金の計算方法と具体的なシミュレーション

相続土地国庫帰属制度の負担金は、全ての土地で一律ではありません。
土地の地目(宅地、農地、山林など)や面積、所在する区域によって金額が変動します。
原則となる金額は定められていますが、特定の条件下では面積に応じた計算が必要になり、負担額が大きく変わることがあります。
ご自身の土地がどのケースに該当するのかを把握し、具体的な金額をシミュレーションすることが、制度利用を判断する上で極めて重要です。
原則は20万円!田畑や原野、森林などの基本的な負担金額
相続土地国庫帰属制度における負担金の基本額は、原則として20万円です。
この金額が適用されるのは、主に管理に手間がかからないと想定される土地で、具体的には田、畑、池沼、原野、そして市街地から離れた森林などが該当します。
例えば、郊外にある農地や、特別な管理を必要としない山林を1筆申請し、承認された場合の負担金は20万円となります。
ただし、後述する特定の区域内に所在する場合や、特別な管理が必要な場合はこの限りではありません。
宅地や市街化区域の土地は負担金が高額になるケース
宅地や特定の区域内にある農地・森林は、負担金が原則の20万円から面積に応じて加算され、高額になる場合があります。
特に、都市計画法の「市街化区域」や「用途地域」に指定されている宅地は、管理コストが高いと見なされるためです。
例えば、市街化区域にある200㎡(約60坪)の宅地の場合、負担金額は約80万円に達するケースもあります。
このように、土地の所在地や面積によって負担金の金額は大きく変動するため、事前の確認が不可欠です。
複数の土地をまとめて申請する場合の負担金計算ルール
複数の土地を申請する場合、負担金の計算には特例があります。
隣接する2筆以上の土地で、かつ地目の区分(宅地、農地、森林など)が同じであれば、それらを一つの土地とみなして負担金を計算するよう申し出ることが可能です。
この特例を利用すると、通常なら筆数ごとに負担金がかかるところを、1筆分として計算できるため、費用を抑えられます。
ただし、面積に応じて負担金が算定される土地(市街地の宅地など)の場合は、合算した総面積で計算される点に注意が必要です。
特定の管理が必要な土地(崖地など)で加算される負担金
土地の状態によっては、基本的な負担金に加えて、追加の管理費用が加算されることがあります。
これは、国が土地を引き取った後に、通常の管理を超える特別な維持管理が必要と判断されるケースです。
例えば、土地の全部または一部が崖であり、その崖の管理に費用がかかる場合などが該当します。
このような土地では、個別の状況に応じて算定された金額が、基本の負担金に上乗せされることになります。
【申請の準備費用】状況に応じて必要になる追加コスト
国へ支払う審査手数料や負担金の他に、申請の準備段階で追加の費用が発生することがあります。
制度の利用要件を満たすために、土地の状態を整えるためのコストです。
全ての申請で必要になるわけではありませんが、土地の境界が不明確な場合や、土地上に不要な物が残っている場合など、状況に応じて数十万円から数百万円のお金がかかる可能性もあります。
この準備費用が、総額を大きく左右する重要な要素となります。
境界確定や測量が必要な場合の費用相場(数十万円以上)
相続土地国庫帰属制度の申請において、隣地との境界が明確であることは望ましいとされています。境界が不明確な場合でも申請は可能ですが、状況によっては土地家屋調査士に依頼して境界確認を行うことが推奨されます。この際の費用は、土地の状況や隣接地の数などによって異なります。この費用は申請の準備段階で必要となる場合があります。
建物や工作物の解体・撤去にかかる費用
制度の利用要件として、土地は更地であることが求められます。
そのため、土地上に古家などの建物や、放置されたビニールハウス、井戸、浄化槽といった工作物が存在する場合は、申請前に自らの費用で解体・撤去しなければなりません。
建物の解体費用は構造や規模によって大きく異なり、木造一戸建ての場合でも100万円から200万円程度かかるのが一般的です。
この解体・撤去費用は、総額を大幅に押し上げる要因となり得るため、事前の見積もりが欠かせません。
抵当権などの担保権を抹消するための登記費用
申請対象の土地には、抵当権や地上権といった担保権や用益権が設定されていないことが要件の一つです。
もし、過去のローンに関する抵当権などが残っている場合は、それらを抹消するための登記手続きが必要になります。
この手続きを司法書士に依頼する場合、報酬や登録免許税などの実費がかかります。
金額は数万円程度が目安ですが、これも制度利用のための準備費用として必要になるお金です。
相続登記が未了の場合も、前提として相続登記の費用が発生します。
相続登記の義務化については「相続不動産の放置は危険!登記義務化の罰則やデメリットを解説」で詳しく紹介しています。
【専門家への依頼費用】司法書士などへ代行を頼む場合の報酬相場

相続土地国庫帰属制度の申請手続きは、必要書類の収集や申請書の作成など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。
そのため、司法書士や行政書士といった専門家に手続きの代行を依頼することも選択肢の一つです。
もちろん、専門家へ依頼すれば報酬が発生しますが、煩雑な手続きの手間を省き、より確実に承認を得られる可能性が高まります。
ここでは、専門家に依頼した場合の報酬相場と、どのようなケースで依頼を検討すべきかを解説します。
司法書士や行政書士への依頼費用の目安は10万円から
相続土地国庫帰属制度の申請手続きを司法書士や行政書士に依頼した場合の報酬は、一般的に10万円から50万円程度が相場とされています。
書類作成の代行や法務局との協議を含めて、15万円から30万円前後を目安とする事務所が多く見られます。
この金額は、土地の筆数や状況の複雑さ、依頼する業務の範囲によって変動します。
例えば、現地調査や測量の手配なども含めて依頼する場合は、報酬額が高くなる傾向にあります。
自分で申請するより専門家への依頼をおすすめするケース
以下のようなケースでは、費用がかかっても司法書士や行政書士への依頼を検討する価値があります。
まず、平日に法務局へ相談に行ったり、役所で書類を集めたりする時間を確保できない方です。
また、申請要件の判断や複雑な書類作成に不安がある場合も、専門家のサポートを受けることでスムーズかつ確実に手続きを進められます。
さらに、土地の境界が不明確である、あるいは共有者が多数いるなど、権利関係が複雑なケースでは、専門的な知見が不可欠となるでしょう。
申請が不承認になったら費用は戻らない?事前に知るべき金銭的リスク
相続土地国庫帰属制度は、申請すれば必ず承認されるわけではありません。
審査の結果、不承認となるケースも想定されます。
その際に大きな問題となるのが、それまでにかかった費用です。
承認されなければ土地を手放すことはできず、支払ったお金の一部は戻ってきません。
この金銭的リスクを事前に理解しておくことは、制度利用を冷静に判断するために非常に重要です。
返金されない審査手数料と無駄になる準備費用
申請が不承認となった場合、最初に支払った1筆あたり14,000円の審査手数料は一切返金されません。
これは、審査という行政サービスに対する手数料であるためです。
さらに深刻なのは、承認されることを見越して支払った準備費用です。
例えば、数十万円をかけて境界確定測量を行ったり、100万円以上かけて建物を解体したりしても、申請が通らなければその費用はすべて無駄になってしまいます。
こうした準備費用が「捨て金」になるリスクは、この制度の最も注意すべき点の一つです。
費用倒れを防ぐ鍵は「無料相談」での事前シミュレーション
費用倒れのリスクを避けるためには、申請準備に着手する前に、がもう相続相談センターの無料相談をご活用ください。司法書士が個別の状況をお伺いし、制度や手続きの情報を整理してお伝えします。
これにより、承認の見込みや費用について、ある程度の方向性を理解した上で準備を進められます。ご相談で料金は一切かかりません。回数制限、時間制限もございません。詳しくは「相続の無料相談」で詳しく紹介しています。
費用の発生タイミングがわかる!申請から国庫帰属までの5ステップ
相続土地国庫帰属制度を利用する際、どの段階でどのようなお金が必要になるのかを時系列で把握しておくことは、資金計画を立てる上で非常に重要です。
手続きは大きく5つのステップに分かれており、それぞれの段階で発生する費用が異なります。
ここでは、相談から所有権が国に移るまでの流れに沿って、費用の発生タイミングを具体的に解説します。
ステップ1:法務局への事前相談と専門家への相談
最初に行うべきは、管轄の法務局への事前相談です。
ここでは、所有する土地が制度の対象になりそうか、どのような書類が必要かなどを確認します。
この法務局への相談自体に費用はかかりません。
並行して、がもう相続相談センターへのご相談もご検討ください。
ご相談で料金は一切かかりません。回数制限、時間制限もございませんので、この段階で制度利用の可否や費用の概算を確かめておくことが、後のリスクを減らす上で重要になります。
ステップ2:申請書類の準備と提出(審査手数料の支払い)
相談を経て申請を決めたら、必要書類の準備と申請書の作成に移ります。
登記事項証明書や各種図面の取得には、1通あたり数百円の実費が必要です。
すべての書類が整ったら、法務局へ申請書を提出します。
この提出時に、最初のまとまった費用である「審査手数料」を納付します。
土地1筆あたり14,000円の収入印紙を申請書に貼付して支払うことになり、この時点から具体的な金銭的負担が始まります。
ステップ3:法務局による書類審査・実地調査
申請書が受理されると、法務局による審査が開始されます。
まずは提出された書類の内容が要件を満たしているかの書類審査が行われます。
その後、必要に応じて法務局の職員が現地を訪れ、土地の状況を確認する実地調査が実施されます。
この審査・調査の段階で、申請者が直接的に支払う費用は原則としてありません。
ただし、法務局から追加の資料提出を求められ、その取得に費用がかかる可能性はあります。
ステップ4:承認通知と負担金の納付
書類審査と実地調査を経て、土地が国庫帰属の要件を満たすと判断されると、法務局から「承認通知」が届きます。
この通知書には、納付すべき「負担金」の金額が記載されています。
申請者は、この通知を受け取った日から30日以内に、指定された金融機関で負担金を一括で納付しなければなりません。
この負担金が、制度利用における最大の支払いとなります。
ステップ5:土地所有権の国庫への帰属
申請者が期限内に負担金を全額納付した時点で、その土地の所有権は国庫に帰属し、すべての手続きが完了します。
これ以降、土地の管理責任や固定資産税の納税義務は国に移り、元所有者はそれらの負担から完全に解放されます。
所有権の移転登記は国が行うため、申請者が別途手続きを行う必要や、そのための費用は発生しません。
相続土地国庫帰属制度の費用に関するよくある質問
相続土地国庫帰属制度の利用を検討するにあたり、費用に関して多くの方が疑問を抱きます。
特に「結局、総額はいくらなのか」「もし審査に落ちたらお金は戻るのか」といった、最終的な金額やリスクに関する質問は非常に重要です。
ここでは、そうした費用に関するよくある質問に対して、簡潔かつ明確に回答します。
結局、相続土地国庫帰属制度を利用する場合、総額でいくらくらい見ておけばいいですか?
総額は土地の状況で大きく変わります。
最低でも審査手数料14,000円と原則の負担金20万円を合わせた約22万円は必要です。
しかし、市街地の宅地や、測量・建物解体が必要な場合は、専門家報酬も含め100万円以上になる可能性も十分にあります。
まずはがもう相続相談センターの無料相談で、ご自身の土地の概算金額を把握しておきましょう。
審査に落ちた場合、支払った審査手数料14,000円は返ってきますか?
いいえ、返ってきません。
審査手数料は、申請された土地を審査するという行政手続きに対して支払うものです。
そのため、審査の結果が承認であろうと不承認であろうと、一度納付した手数料は返還されない仕組みになっています。
申請前に承認の可能性を慎重に見極めることが大切です。
測量費用が高額になりそうですが、必ず必要になるのでしょうか?
必ずしも全てのケースで必要になるわけではありません。
土地の境界が公的な図面(地積測量図など)で明らかであり、現地にも境界標が明瞭に残っていて、隣地所有者との間に争いがない場合は、追加の測量が不要なこともあります。
ただし、山林や古い宅地など境界が曖昧なケースは多く、その場合は承認を得るために事実上、境界確定測量が必要となります。
まとめ
相続土地国庫帰属制度の費用は、「国へ支払う費用(審査手数料・負担金)」「申請の準備費用(測量・解体費など)」「専門家への依頼費用」の3層構造で成り立っています。
最低でも20数万円が必要ですが、土地の状況によっては測量費や解体費が加わり、総額が100万円を超えるケースも少なくありません。
特に、審査手数料や準備費用は、不承認となった場合に返還されない金銭的リスクを伴います。
そのため、申請に踏み切る前に、がもう相続相談センターの無料相談をご活用いただき、ご自身の土地が制度の対象になるか、費用は総額でいくらかかるのかを確かめておきましょう。
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「自分の土地だと負担金はいくらになるのか」「測量など追加の費用は発生するのか」といった不安を抱えている方も多いでしょう。
そのような場合は、がもう相続相談センターの無料相談をご活用ください。ご相談で料金は一切かかりません。回数制限、時間制限もございません。
司法書士が、個別の状況に合わせて費用の見通しを整理し、制度を利用すべきかどうかの判断材料をお示しします。
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相続という複雑な問題に直面したとき、費用に関する不安を解消できる無料相談は、問題解決の第一歩になります。
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がもう相続相談センターの無料相談が選ばれる背景には「費用の明確化」「客観的なアドバイス」「安心できる相談環境」という3つの大きな理由があります。
複雑な費用の見通しを司法書士が整理してお伝えします
相続土地国庫帰属制度の負担金は、地目や地域、面積に応じて算定方法が定められており、法務省のウェブサイトで自動計算シートが提供されています。ご自身で算出することも可能です。
がもう相続相談センターのご相談では、負担金の算定方法や、測量費用・専門家報酬を含めた全体の費用感を整理してお伝えします。国へ支払う負担金だけでなく、関連費用を含めた資金計画を立てる材料になります。
制度利用の可否を客観的な視点でアドバイス
がもう相続相談センターは、単に手続きを代行するだけではありません。
お客様の状況をお伺いした上で、そもそも相続土地国庫帰属制度の利用が最善の選択肢なのかを、客観的な視点でお伝えします。
場合によっては、売却や他の活用方法など、よりメリットの大きい選択肢を提示することもあります。
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