
遺言書の保管について考えたことはありますか?
遺言書は、未来の家族へ自身の財産をどのように分配するか、どのようなメッセージを残すか、という重要な意思表示になります。
この解決策として注目されているのが、「法務局保管」という保管方法です。
もう一つの保管方法として、「自宅保管」というのもあります。
それぞれメリット・デメリットがありますが、どちらを選ぶべきなのか判断するのは難しいですよね。
この記事では、遺言書の保管制度とはどのようなものか、自宅保管と法務局保管にはどのような違いがあるのかについて詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、あなたにとって最適な遺言書の保管方法が見つかるはずです。
◯遺言書の保管制度とは?
遺言書の保管制度は、遺言書を安全に保管し、遺言の内容を確実に実現するための仕組みです。
自宅保管、公証役場での保管、そして近年注目されている法務局保管制度の3つがあります。
特に法務局保管制度は、2020年に導入された新しい制度で、自筆証書遺言を専門機関で保管することで、紛失や改ざんのリスクを回避することを目的としています。
遺言書の種類によって保管方法が異なります。以下の通りです。
・自宅保管 / 法務局保管制度→自筆証書遺言
・公正役場での保管→公正証書遺言
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遺言書保管制度が重要な理由
遺言書の内容を確実に実現させるには、法的に正しく作ることだけでなく、安全に保管されることも重要です。
◯自宅保管と法務局保管は何がちがう?
自宅保管と法務局保管のそれぞれの特徴とメリット・デメリットを理解することで、自分や家族にとって最適な方法を選ぶことができます。
自宅保管の説明
特徴:
- 遺言書を自宅や貸金庫などで保管する方法。
- 手軽で費用がかからない。
メリット:
- 遺言者自身が自由に保管場所を決められる。
- 費用が一切かからない。
デメリット:
- 紛失や盗難のリスクが高い。
- 火災や災害による損失の危険性がある。
- 家庭裁判所での検認手続きが必要(手間と時間がかかる)。
法務局保管の説明
特徴:
- 法務局が遺言書の原本を安全に保管する制度。
- 申請時に手数料(1通あたり3,900円)が必要。
メリット:
- 紛失や改ざんのリスクがない。
- 相続人は法務局で閲覧や証明書の交付を受けられる。
- 検認手続きが不要で、相続手続きがスムーズに進む。
デメリット:
- 遺言者本人が法務局に出向いて手続きを行う必要がある。
- 専用のフォーマットに従う必要があり、自由度が制限される場合がある。
どちらを選ぶべきか?
自宅保管と法務局保管の選択は、個々の状況やニーズによって異なります。
たとえば、「費用をかけたくない」「家族全員が信頼し合っている」という場合は自宅保管が適しています。
一方、「相続トラブルを避けたい」「遺言の存在を確実に伝えたい」という場合は法務局保管を選ぶ方が安心です。
〇 遺言書の保管制度の注意点について
適切に遺言書を保管することで、相続手続きを円滑に進め、家族間のトラブルを回避することができます。
しかし、制度を正しく理解しないと、予期しないトラブルに見舞われる可能性があります。
以下では、遺言書の保管制度を利用する際に特に注意すべきポイントをご紹介します。
遺言書の形式要件の遵守
遺言書が法的に有効となるには、民法で定められた形式要件を満たす必要があります。以下が主な要件です:
- 全文を自筆で記載すること(自筆証書遺言の場合)。
- 日付の記載:日付が不明確な場合、遺言書が無効になる可能性があります。
- 署名と押印:これらがないと遺言書としての効力が認められません。
また、法務局保管制度を利用する場合、形式要件を満たしていない遺言書は受付が拒否されます。作成時に不備がないように、必要に応じて専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。
正しい作り方に関してはこちらを参照ください

法務局保管の手続き
法務局保管制度は便利ですが、手続きにはいくつかの注意点があります:
- 遺言者本人が手続きを行う必要がある
代理人や郵送による申請は認められていません。高齢や体調不良で外出が難しい場合は、事前に法務局へ相談しましょう。 - 必要書類を準備する
遺言書原本のほか、本人確認書類や必要な申請書類を用意する必要があります。 - 手数料の支払い
1通につき3,900円の手数料がかかります。追加で証明書の発行などを依頼する場合にも別途費用が必要です。 - 指定のフォーマットに従う必要がある
法務局で保管される遺言書は、形式が厳しく管理されています。用紙のサイズや余白なども指定されているため、事前に確認しておきましょう。
保管制度が受けられないケース
遺言書の保管制度を利用できない場合もあります。以下に該当する場合は注意が必要です:
- 自筆証書遺言以外の遺言書は対象外
公正証書遺言や秘密証書遺言は法務局保管制度の対象外です。これらの場合は、それぞれの方法に応じた保管が必要です。 - 遺言書に不備がある場合
形式要件を満たしていない遺言書は受付不可です。特に自筆でない部分がある場合や、押印がない場合は無効となる可能性があります。 - 未成年者や精神的に判断能力が不十分な場合
遺言書を作成するには、遺言者が完全な判断能力を有している必要があります。判断能力が不十分とみなされる場合、遺言自体が無効になる可能性があります。
まとめ
遺言書の保管方法は、相続を円滑に進めるために非常に重要です。自宅保管や法務局保管にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、トラブルを防ぐためには保管方法の特性を正しく理解し、状況に合った選択をすることが求められます。
特に法務局保管制度は、安全性が高く、検認手続きが不要であるため、多くの方にとって安心な選択肢です。ただし、形式要件や手続きの流れを事前に確認しておくことで、よりスムーズに進めることが可能になります。
どの方法を選ぶにしても、遺言書の保管方法を家族としっかり話し合い、必要に応じて専門家のサポートを受けることが成功の鍵です。
遺言書を適切に保管することで、将来のトラブルを未然に防ぎ、大切な遺志を確実に実現させましょう。
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