未登記建物の相続手順|放置するリスクと固定資産税・登記すべきか解説

親から相続した建物が登記されていないと知り、どうすればよいか不安に感じていませんか。
この記事を読めば、未登記建物を相続する際のリスクを理解し、ご自身の状況に合わせて登記すべきか判断できます。

具体的な手続きの手順や固定資産税の扱い、専門家への相談先まで網羅的に解説します。

目次

未登記建物とは?相続は可能?まずは現状を正しく把握しよう

未登記建物とは?相続は可能?まずは現状を正しく把握しよう

未登記建物とは、法務局に登記記録がない建物のことです。
建物が物理的に存在していても、法的な情報が登録されていない状態を指します。
このような不動産でも相続は可能ですが、通常の相続とは異なる手続きが必要です。

まずは相続財産である建物の状況を正確に理解しましょう。

未登記建物でも所有権はあり、相続の対象になる

未登記建物であっても、建物の所有権は存在し、相続財産の対象となります。
登記は、その不動産の所有者が誰であるかを第三者に公に示すための制度(対抗要件)であり、所有権そのものの有無を決めるものではありません。
したがって、登記がないからといって所有権が否定されるわけではなく、法定相続人がその権利を引き継ぎます。

なぜ未登記建物が存在するのか?よくある3つのケース

未登記建物が存在する背景には、いくつかの理由があります。
代表的なのは、建築当時に登記が義務ではなかった古い建物や、住宅ローンを利用せず自己資金で建てたため金融機関からの登記要請がなかったケースです。
また、既存の母屋は登記済みでも、後から増築した離れや物置、車庫といった付属建物が未登記のままになっていることも少なくありません。

相続した建物が未登記か確認する3つの方法

相続した建物が未登記かどうかを調べるには、3つの方法があります。
まず、故人が保管していた書類の中から「登記済権利証」または「登記識別情報通知」を探します。
これらが見つからない場合は、市区町村役場で固定資産税の納税通知書を確認し、「家屋番号」の欄が空欄になっていないか見ましょう。

最も確実な方法は、建物の所在地を管轄する法務局で「登記事項証明書」を請求し、登記記録が存在しないことを確認する手順です。
これらの手続きを通じて、建物の登記状況を正確に把握できます。

未登記建物を相続後そのまま放置する4つの重大なリスク

未登記建物を相続後そのまま放置する4つの重大なリスク

未登記建物を相続したにもかかわらず、登記手続きをしないまま放置すると、将来的にさまざまな問題が生じる可能性があります。
法的なペナルティだけでなく、財産価値の低下やトラブルの原因にもなり得るため、リスクを正しく理解しておくことが重要です。

売却やリフォーム時のローン審査に通らない

未登記の不動産は、原則として売却したり、それを担保にリフォームローンを組んだりすることができません。
買主や金融機関は、法務局の登記情報をもとに所有権や担保権の状況を確認します。

登記がなければ、その建物の正式な所有者が誰であるかを法的に証明できず、取引の安全性が確保できないため、売却契約やローン契約を進めることが困難になります。

第三者に建物の所有権を主張できない可能性がある

不動産登記には、所有権などの権利を第三者に対して主張するための「対抗力」を持たせる役割があります。
未登記のままではこの対抗力がないため、もし相続人の一人が勝手に自己名義で登記を行い第三者に売却してしまった場合、他の相続人は買主に対して自身の所有権を主張することが難しくなります。

相続人間のトラブルを防ぎ、権利を守るためにも登記は重要です。

10万円以下の過料(罰金)が科される恐れがある

不動産登記法では、建物を新築した場合、所有権を取得した日から1か月以内に「建物表題登記」を申請する義務が定められています。
相続によって未登記建物の所有権を取得した相続人も、この義務を引き継ぎます。
正当な理由なくこの申請を怠ると、10万円以下の過料に処せられる可能性があるため注意が必要です。

2024年開始の相続登記義務化との関係性

2024年4月1日から相続登記が義務化されましたが、この義務化は登記簿に所有権の記録がある不動産が対象です。
したがって、登記簿自体が存在しない未登記建物は、この相続登記義務化の直接の対象ではありません。
しかし、前述の通り、未登記建物には「建物表題登記」の申請義務が存在します。

2024年からの義務化を機に、未登記の不動産についても法的な状態を整理しておくことが望ましいです。

5つのステップで完了!未登記建物の相続手続きの全体像

未登記建物の相続手続きは、通常の登記済み建物とは異なり、建物の物理的な情報を登録する工程から始める必要があります。
調査から登記完了、税金の手続きまで、全体像を5つのステップに分けて解説します。
この手順に沿って進めることで、複雑な手続きを漏れなく完了させることができます。

ステップ1:相続財産の調査と相続人の確定

まず、被相続人(亡くなった方)の財産内容をすべて調査し、未登記建物を含む全相続財産をリストアップします。
同時に、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取り寄せ、法的に誰が相続人になるのかを確定させる手続きが必要です。
遺言書がある場合はその内容が優先されるため、遺言の有無も確認します。

ステップ2:遺産分割協議で建物の相続人を決める

相続人が複数いる場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が未登記建物を相続するのかを決定します。
話し合いがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名・押印します。
この遺産分割協議書は、後の登記手続きで建物の所有者を証明するための重要な書類となります。

【記載例あり】未登記建物を遺産分割協議書に正しく書く方法

遺産分割協議書に未登記建物を記載する際は、登記簿謄本が存在しないため、固定資産税の納税通知書や固定資産評価証明書をもとに物件を特定します。
記載すべき項目は「所在」「種類」「構造」「床面積」です。
家屋番号がないため、土地の地番で所在を示し、「未登記」である旨を付記するのが一般的です。

正確な記載が後の手続きに必要となるため、税評価額がわかる書類を参照しましょう。

ステップ3:【土地家屋調査士】建物の物理的な状況を登録する「建物表題登記」

遺産分割協議が完了したら、土地家屋調査士に依頼して「建物表題登記」を法務局に申請します。
未登記建物には登記記録そのものがないため、いきなり相続登記(所有権移転登記)をすることはできません。まず建物の所在地、構造、床面積といった物理的な情報を登記記録に登録するところから始めます。土地家屋調査士が現地調査や測量を行い、必要な図面を作成して申請します。この表題登記が完了して初めて、建物が法的に存在するものとして扱われます。

ステップ4:【司法書士】法的な権利関係を登録する「所有権保存登記」

建物表題登記が完了したら、次に司法書士に依頼して「所有権保存登記」を法務局に申請します。
表題登記だけでは所有者の権利が公示されないため、この登記によって、遺産分割協議で決まった相続人が建物の最初の所有者として登記記録に登録されます。

所有権保存登記には登録免許税がかかり、この登記が完了することで、第三者に対して所有権を主張できるようになります。

ステップ5:役所で固定資産税の納税義務者を変更する

登記手続きが完了すると、法務局から市区町村役場へ通知が送られるため、自動的に固定資産税の納税義務者が切り替わることが一般的です。そのため、原則として、別途「家屋名義人変更届」などの提出は不要とされています。

これにより、翌年度からの固定資産税の通知が新しい所有者に送付されるようになります。

ただし、未登記家屋の場合や、自治体によっては手続きが必要な場合もありますので、念のため管轄の市区町村役場(都税事務所)に確認することをお勧めします。

相続した未登記建物を登記すべきか?判断基準と費用の目安

未登記建物を相続した場合、登記を検討することが一般的です。建物の将来的な活用方法によって登記の必要性やタイミングは異なりますが、登記をしないことで生じるデメリットも存在します。売却や解体といった具体的な計画と、登記にかかる費用を考慮し、専門家と相談の上で登記の要否や時期を判断することが重要です。

登記が必須となるケース(売却・担保設定の予定がある場合)

建物を売却する予定がある場合や、リフォームローンなどを受けるために建物を担保に入れる計画がある場合は、登記が必須です。
買主や金融機関は、登記情報によって所有権や担保状況を確認するため、未登記のままでは取引を進めることができません。
これらの予定があるなら、速やかに登記義務を果たしましょう。

登記が不要なケース(近いうちに解体する予定の場合)

相続した建物が老朽化しており、近いうちに解体する予定であれば、費用をかけて登記をする必要はありません。
ただし、建物を解体した後は、固定資産税の課税を止めるために市区町村役場へ「家屋滅失届」を必ず提出する必要があります。
この届出をしないと、存在しない建物に対して課税が続いてしまうため注意しましょう。

建物表題登記・所有権保存登記にかかる費用の内訳と相場

未登記建物の登記には、「建物表題登記」と「所有権保存登記」の2段階で費用が発生します。
表題登記は土地家屋調査士に依頼し、報酬相場は新築一戸建て(床面積100㎡前後)で概ね10万円程度です。
所有権保存登記は司法書士に依頼し、報酬相場は数万円程度となる場合があります。

これに加え、所有権保存登記の際には、不動産の評価額に応じた登録免許税(原則0.4%)が必要です。

未登記建物の相続で悩んだらがもう相続相談センターの「何度でも何時間でも無料相談」へ

未登記建物の相続は、通常の相続手続きに比べて複雑で、専門的な知識が求められます。
戸籍の収集や遺産分割協議、専門家との連携など、個人で進めるには負担が大きいのが実情です。
もし手続きに不安を感じたり、何から手をつけてよいか分からなくなったりした場合は、司法書士などの専門家が提供する無料相談を活用することをおすすめします。

複雑な手続きや相続人同士のトラブルこそ司法書士にお任せください

未登記建物の相続手続きには、土地家屋調査士と司法書士という2つの専門家の協力が必要です。
相続人が複数いる場合は、遺産分割をめぐって意見が対立することも少なくありません。

専門家は、法的な観点から適切な手続きを案内し、相続人間の調整役も担うことで、円滑な問題解決をサポートします。

相談回数・時間に制限がないため、納得いくまで話を聞ける

相続の問題は家庭ごとに状況が異なり、一度の相談ですべてが解決するとは限りません。
何度でも、時間制限なく無料で相談できるサービスであれば、焦らずに自分のペースで疑問や不安を解消できます。

複雑な状況を整理し、自分にとって最善の選択肢は何かをじっくり検討することが可能です。

オンラインや電話相談にも対応しており、遠方からでも相談可能

相続する不動産が遠隔地にある場合や、仕事で日中の時間が取れない方でも、オンラインや電話での相談に対応している事務所なら安心です。
対面でなくとも、資料を画面共有しながら説明を受けたり、都合の良い時間に相談の予約を入れたりすることができます。
場所や時間を選ばずに専門家のアドバイスを受けられるのは大きなメリットです。

未登記建物の相続に関するよくある質問

未登記建物の相続に関するよくある質問

未登記建物の相続に関して、多くの方が抱く疑問について解説します。

未登記建物を相続した場合、必ず登記申請が必要ですか?

法律上、建物の所有権を取得した者は1か月以内に表題登記を行う義務があります。
近い将来に解体する予定であれば、費用をかけて登記をしないという選択も現実的です。
売却や活用の予定がある場合は登記が必須となりますので、状況に応じた判断が必要です。

未登記のまま建物を解体する場合、相続手続きはどうなりますか?

未登記のまま建物を解体する場合、法務局への登記手続きは不要です。
ただし、解体後は市区町村役場に対し「家屋滅失届」を提出し、固定資産税の課税を止める手続きを必ず行ってください。
これを怠ると、存在しない建物に課税され続ける可能性があります。

未登記建物の相続手続きにかかる費用は誰が負担するのですか?

未登記建物の登記手続きにかかる費用を誰が負担するかについて、法律上の明確な定めはありません。
一般的には、その建物を相続する人が負担するケースが多いです。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議の際に費用の負担割合についても話し合って決めておくと、後のトラブルを防げます。

まとめ

未登記建物の相続は、放置すると売却できない、過料の対象となるなどのリスクを伴います。
一方で、建物の将来的な活用方法によっては、必ずしも登記が必須でないケースも存在します。
まずは専門家に相談し、ご自身の状況に合わせた最適な解決策を見つけることが重要です。

未登記建物の複雑な相続手続きはがもう相続相談センターの無料相談へ

未登記建物の相続手続きは、土地家屋調査士による「建物表題登記」と、司法書士による「所有権保存登記」の2段階が必要で、通常の相続よりも手順が複雑になります。
相続人の確定から遺産分割協議、税金の申告まで、考慮すべき点も多岐にわたります。
手続きの進め方に少しでも不安があれば、まずは専門家が提供する無料相談を活用し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

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