
死亡保険金の受取人を何となくで決めると、
相続で家族が揉めてしまうかもしれません。
実際によくあるのは、
一人だけが死亡保険金を受け取り、
他の家族は何も知らないまま相続が進むケースです。
すると後になって、不公平感から不満が噴出し、
相続トラブルに発展してしまいます…
お金そのもので揉めるというより、
不信感が原因になることが多いです。
このように、死亡保険金の受取人の決め方ひとつで、
相続は簡単にトラブルへ変わります。
「生命保険と相続」に関する基本知識は、下記ブログをご覧ください

1. 生命保険 (死亡保険金) が揉めやすくなる原因
まず、死亡保険金の手続きは、相続とは別に進みます。
※死亡保険金は、相続財産とは別の扱いです。
1.相続 → 2.死亡保険金 の順序で進んでいきます。
まず、相続が始まり、遺産分割協議にて相続財産の取り分が決定され、
相続の手続きが進みます。
その後、死亡保険金が、予め決められていた受取人の元に入ります。
では、どのタイミングで揉めるのか?
死亡保険金の受取りを知るのは当事者(受取人)だけです。
それ以外の方は知る由もありませんので、
下記パターンのトラブルが起こりやすいです。
- 相続後、死亡保険金の存在が明るみに出た場合、他の相続人から「不平等だ!」と反感を買います。
- 「被相続人(亡くなった人)が生命保険に加入していたこと」を他の相続人が把握していた場合、財産の取り分問題で揉める。
対策方法
生命保険の加入者が生前に、家族に対してきちんと説明し、相続人全員の了解を得ておくこと。
受取人を指定する理由や、財産分配の不平等感を無くす対策を生前に行い、将来の相続で揉めないようにしておくこと などが挙げられます。
2. 死亡保険金の受取人で起きやすいトラブル事例

① 一人だけが受取人になっていたケース
こちらは前述したとおり、
保険会社の手続きは、受取人本人だけで完結します。
他の家族は関与できませんので、知る由もありません。
受取るときには、既に相続財産の分配は終わっているので、
後々生命保険の存在が発覚したとき、他の相続人から「不平等だ!」と反感を買います。
② 受取人を昔のまま変更していなかったケース
受取人が今の家族関係とマッチしていないと、
手続きが止まることがあります。
- 受取人がすでに亡くなっている
- 今の相続人と一致していない
この状態では、
保険会社は単独で支払いを進められず、相続人全員の同意が必要になり、
話し合いがまとまるまで保険金が動かなくなります。

3. 受取人を決める前に整理しておきたい視点

相続が始まったとき、
家族の中に「死亡保険金の受取りを知らなかった人」が出ないかどうか。
まずは、ここだけを考えてください。
受取人を決めると、
その内容は、受け取った人だけが知る形になります。
他の家族は、あとから知ることになります。
このとき、「それでも納得できそうか」を想像します。
もし、あとから金額や受取人を知った家族が
揉めそうなら、相続の分配を調整するなどの対策が必要です。
相続の話し合いが始まった時点で
全員が受け止められる形かどうか。
この基準で対策を決める必要があります。
4. 司法書士がオススメする受取人の決め方と対策

まずできる対策:受取人を複数人にする
受取人を一人にすると、その人だけが先に大きなお金を受け取ります。
相続が始まる時点で、すでに差がついた状態になります。
最初から受取人を複数人にしておけば、
この差を小さくできます。
それだけで、相続の話し合いが荒れにくくなります。
しかし、受取人の指定だけでは、相続トラブルの対策は不十分です。
次の遺言書作成が大切です。↓
【遺言書作成】
〇 なぜ遺言書が必要になるのか
受取人を工夫しても、それだけで安心とは言えません。
死亡保険金以外にも、預貯金や不動産があります。
これらをまとめて分配を考えないと、
「結局、誰が多くもらったのか」があとから問題になります。
その整理に使うのが遺言書です。
〇 分け方をはっきり決めておく
遺言書では、誰が何を受け取るかを決めます。
ポイントは、一つ一つを見るのではなく、全財産を足した結果で考えることです。
全体で見て、極端な差が出ないか。
ここだけを確認します。
〇 家族に知らせたうえで作る
遺言書の内容を知らない家族がいると、相続はこじれます。
あとから知ると、「なぜこうなったのか」と疑いが生まれます。
だから、遺言書に書く内容を先に話しておく方が安全です。
家族で話した内容を、そのまま遺言書に残すのが“キモ“です!

5. がもう相続相談センターのサポート

死亡保険金の受取人は、
相続の中でも最初に結果が確定する部分です。
がもう相続相談センターでは、
- 受取人の設定が相続にどう影響するか
- トラブルになりやすいポイントの整理
- 相続全体を見た受取人の考え方
こうした点を、
実務ベースで一つずつ確認します。
相続の相談は、
何度でも、何時間でも無料です。
「この決め方で大丈夫か」と感じた時点で、
一度整理しておくことをおすすめします。

