空き家所有のデメリット大全。固定資産税・火災保険・リスク一覧

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人が住まなくなった家をそのままにしていませんか

「思い出の家だから」「売るのはまだ早い気がする」──そうして放置している空き家が、じつは思わぬ負担を生んでいることがあります。

固定資産税火災保険といったお金の問題だけでなく、近隣トラブル倒壊リスクなど、時間が経つほど深刻になるケースも少なくありません。

ここでは、空き家を所有することによるデメリットを、金銭面・法的リスク・生活面の3方向から整理します。

※空き家を相続した後に何をしたらいいのか知りたい方は、別記事「空き家を相続したらどうする?固定資産税・活用・売却までの流れ」もあわせてご覧ください。


目次

1. 固定資産税で損をするケースがある

固定資産税の計算

空き家を持っていると、まず負担になるのが「固定資産税」です。
誰も住んでいない家でも、所有している限り毎年課税されます。

1-1 「住宅用地特例」が外れることがある

通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という減税制度があります。

ところが、長期間放置して老朽化が進むと、自治体が「管理不全空家等」または「特定空家等」と判断し、この特例が外れてしまうことがあります。

特例が外れると、土地の課税標準額が最大6倍になることもあり、結果として固定資産税・都市計画税の負担が跳ね上がります。
住まないまま放置しておくと、税金が想像以上に重くのしかかることがあるのです。

1-2 「更地」にしても税金が上がる…

「使わないなら壊してしまおう」と建物を解体した場合も注意が必要です。

建物がなくなると、土地は「住宅用地」と見なされず、固定資産税の軽減対象から外れます。
その結果、空き家を解体したのに税額が上がるという逆転現象が起きることがあります。

つまり、「建物を壊す=税金が安くなる」とは限りません。
更地にする前に、必ず税務課や専門家に確認した方が良いでしょう。

1-3 管理不全による追徴や滞納リスク

自治体によっては、管理が行き届かない空き家に対し、所有者へ改善命令や行政代執行を行うこともあります。

その際にかかった費用が後から請求されるケースもあります。
また、固定資産税の支払いを滞らせると、延滞金や差し押さえにつながることもあります。

空き家を「放置」しているだけでも、法的にも金銭的にも責任が生じる点を忘れてはいけません。


2. 火災保険で思わぬ落とし穴に遭う

火災保険

火災保険も、空き家になると扱いが変わります。
「入っているから安心」と思っていても、いざという時に補償を受けられないケースがあるのです。

2-1 空き家は「住宅」扱いされないことがある

保険会社の多くは、火災保険を「居住用建物」として契約しています。

つまり、人が住んでいない状態になると、その契約条件を満たさなくなる場合があります。

実際に、空き家になったあとに火災が起きても「契約上の住宅ではない」として、保険金が支払われなかった事例があります。

住まなくなった時点で、保険会社に「空き家になった」ことを届け出ることが大切です。

2-2 空き家専用保険は保険料が高い

空き家を対象にした火災保険は存在しますが、一般の住宅よりも保険料が高く設定されています。

人が住んでいない分、火災や放火、損壊のリスクが高まると見なされるためです。
また、契約できる会社が限られており、補償範囲も狭いことがあります。

2-3 地震・風災などの補償対象外になることも

空き家では、地震保険を付けられない場合や、台風・水害に関する補償が制限される場合もあります。

補償が限定的な保険に加入していると、実際に災害が起きたときに「対象外」とされる恐れがあります。


「万一の災害に備える」ために入ったはずの保険が、実際には役に立たない。
この矛盾を防ぐには、契約の見直しが欠かせません。


3. 放置による物理的・社会的リスク

放置された空き家

税金や保険以外にも、空き家を持ち続けることで発生するリスクがあります。

3-1 老朽化・倒壊の危険

空き家は、人が住まないことで風通しや湿度の管理ができず、劣化のスピードが早まります。

屋根や外壁が傷み、台風のたびに瓦や看板が飛ぶ危険もあります。
万一、通行人や隣家に被害を出した場合、所有者が賠償責任を負うことになります。

3-2 不審者侵入・放火のリスク

人の出入りがない家は、犯罪のターゲットになりやすいものです。

放火、不法侵入、廃棄物の不法投棄など、実際に被害が出てから気づくケースもあります。
「空き家は誰も見ていない」と認識されるだけで、地域全体の治安にも悪影響を及ぼします。

3-3 近隣トラブルに発展するケース

草木が伸び放題で害虫が発生したり、悪臭が出たりすると、近隣住民から苦情が入ります。
最初は「枝が越境している」「落ち葉が多い」といった小さな指摘でも、長引けば関係悪化につながります。

一度こじれた近所付き合いは簡単に修復できません。
「管理が行き届いていない空き家」が地域全体の印象を下げることもあります。


4. 相続・売却時の思わぬ負担

ショック、負担、悩み

今すぐではなくても、「将来親の家を相続するかもしれない」という方も少なくありません。
しかし、空き家を引き継ぐことは“財産をもらう”というより“責任を背負う”ことに近い面もあります。

4-1 相続した瞬間から税金・維持費が発生

家を相続すると、その翌年からは自分に固定資産税の納税通知書が届きます。

誰も住まないまま放置しても課税は続くため、「とりあえず置いておく」では済まなくなります。

さらに、火災保険の契約者変更や名義変更を忘れると、補償が無効になることもあります。
“相続した瞬間から管理者になる”という意識が必要です。

4-2 売却しようとしても売れないことがある

築年数が古く、傷みが進んだ家は買い手がつきにくくなります。
立地や再建築の可否などの条件によっては、売却までに何年もかかるケースもあります。
一方で維持費・税金だけは毎年かかり続けます。

早めに専門家へ査定を依頼し、方向性を決めておくことが重要です。

4-3 兄弟間の共有トラブル

相続人が複数いる場合、「誰が管理するか」「売るのか残すのか」で意見が割れます。

一人が管理を放棄すると、責任が曖昧になり、固定資産税や修繕費の支払いでも揉めやすくなります。


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5. 空き家所有の現実を整理すると

司法書士

空き家を所有することで発生しやすいデメリットを、主な5項目にまとめました。
どれも“放置するほど悪化する”という共通点があります。

分野主なリスク具体的な影響
税金
※固定資産税
住宅用地特例が外れる税額が最大6倍に上がることがある
火災保険空き家では契約・補償対象外になることがある火災・災害時に保険金が支払われない
管理・安全老朽化・倒壊・不法侵入周辺への損害・近隣トラブルの原因になる
相続・名義相続した瞬間から維持費が発生税金・保険の支払いや管理負担が発生
売却・処分老朽化や立地で売れにくい固定資産税や管理費だけが積み重なる

このように見ていくと、空き家の問題は「お金」「安全」「人間関係」の3方向すべてに関わっていることが分かります。

放置すればするほど、損失とリスクが重なっていく構造です。


6. まとめ:空き家は「所有=安心」ではない

空き家を持つことは、“財産を守る”ことではなく、“リスクを管理する”ことです。

固定資産税の特例が外れ、火災保険の補償が効かず、思わぬトラブルを呼ぶ前に、
空き家持ち続けることに意があるのか考えてみてください。

専門家に「管理・売却・解体・相続」のそれぞれの方向性を相談することが、結果的にいちばん安心です。

空き家を「放置」から「判断」へ。
その一歩が、余計な負担を減らす第一歩になります。

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